• 午睡舎

日記のような記録





騒ぎがおこる前からよく通っていた喫茶店に数ヶ月ぶりにきた。

禁煙になっていた。4月からそうなったらしい。

朝に来ると、常連らしきおじさんたちがよく煙草を吸っては店内が煙でぼんやりと霞んでいたことを思い出す。

あのおじさんたちは今頃どうしているのだろうと心配になる。

雨が強く降る。傘は忘れた。

忘れたというより、持つ気がおきなかった。

もともと傘を持つのは苦手だ。傘をさすことも、隙間から漏れた水滴が髪の上に落ちることも。

すっかり帰りどきを逃して空になった皿とコップを気にしながらキーボードを打つ。


少しずつ日々が戻っていくことに対して、わずかに絶望している自分がいる。

朝ゆっくりと起きて、ベランダで好きなだけ陽射しを浴びて、時間を気にせず洗濯をして、本を読んで、まだ仕舞っていない炬燵布団をかぶってうたた寝したり、わずかな間、生き物にもどって気の赴くままに行動をし、食べたいものを食べた。

悲観的に捉えられがちなここ数ヶ月間、不謹慎ではあるが嬉しかった。


雨は一向に止まない。

一度すべてをなくしてかなしくなってみたい。



(ototoi)

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